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アルハンブラ物語(上) アーヴィング著 平沼孝之訳 [読書記録♪]

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憧れはあっても、まったく自分と縁なんかなさそうだと思っていた国、スペイン。
この本を読む前のスペインの国のイメージといえば、ギターとフラメンコの踊りが盛んな太陽のまぶしい情熱の国。
一方で、冷静で踊れず、ギターも弾けず、もの静か?な日本人のわたし・・・・。
スペインの知っている都市といえば、アンダルシアとマドリードくらいっ(:。;)あらら、浅はかな。
それがですね、
読み進めていくにしたがって、なにか不思議と、
スペインという国に対して、懐かしい気持ちがふくらんできてなりませんでした。

この「アルハンブラ物語」は、アーヴィングさんが公使館書記官として滞在していた時の、
スペイン旅行記なんだそうです。
その旅行の間、まかないの世話をしてくれた従者を、「サンチョ」と呼んで可愛がっていたのだといいます。
「サンチョ」は、「ドン・キホーテ」←(スペインの物語です。騎士道精神に魅せられた滑稽な男の長い物語)に出てくるすばらしき従者「サンチョ・パンサ」に見立ててるんですね。
そういう味付けが、素敵です!

アーヴィングさんは、上巻の始まりに、
一緒に旅をしたスコットランド出身画家であるデヴィッド・ウィルキーさんに宛てた手紙を載せています。


~(略)
貴兄は、そんな折ふし、わたしに向かって、こんな遺風がものを言う世界を描いてみないか、つまり、
スペインに遍く行き渡っているこのアラビア風味を効かせた「ハールーン・アッラシード流の探訪記」を、
と勧めてくれたのです。
貴兄にこんな思い出ばなしをするのも、
この本に対しては、貴兄もある程度責任があると言いたいためです。
わたしは、この本で、
現実の人生模様を「アラベスク風」にスケッチした二、三の話や、民間伝承に基づく物語を試みてみました。
その多くは、イベリア半島のかつてのモーロ系スペイン人の王宮のひとつに滞在中、走り書きしたものです。
わたしは、これらの頁を、あの冒険的な土地で、貴兄とともに目撃した楽しい数かずの場面の思い出として、
また貴兄の画業への尊敬というよりは崇敬の証として、捧げさせていただきたいと思います。
                                     貴兄の友にして道連れであった    著者
※アラベスク風とは、アラビア風と同じ意味
                                                                   』

おそらくは、友人のデヴィッドさんが描いたのだろうと思われるスケッチ風の挿絵が、
本のところどころにあります。
いい感じに旅の雰囲気を盛り上げてくれています。

スペインでは、8世紀前半から、グラナダが攻略陥落されるまで、
キリスト教国にありながら、唯一のイスラム教徒「モーロ人(アラブ系や現地民との混血民族」が、
王国を維持していました。。
歴代のモーロ人の王が、代々居城としていたのが、「アルハンブラ宮殿」だったといいます。
この宮殿は、キリスト教団率いる軍勢に敗れた時に、破壊されずに残されました。
イスラム的豪奢をほどこした宮殿の有り様が、あまりに美しかったためだと云われています。
この本は、そんなアルハンブラ宮殿にまつわる伝記や史実をまとめたものとなっています。


2 アルハンブラ宮殿         ~引用
ロマンスの国スペインの年代記に分かちがたく織り込まれている、
史実とも詩とも見分けがたい世界に惹かれ、
そのとりことなった旅人には、
アルハンブラは、敬虔なイスラム教徒のだれもが詣でたいと願うカアバ神殿にも比べられる、
巡礼の聖地のようなものだ。
史実と虚構を取り混ぜ、なんと多くの伝説、伝承が、
そして、愛と戦いまた騎士道を主題とする、
なんと多くのアラブの、またスペインの歌やバラッドが、このオリエントの城と結ばれていることだろうか!
                                                                 』


下巻を読むと、そんなアーヴィングさんが集めた、さらにたくさんの物語が描かれています。
ひとつひとつ、大事に読んでいきたいお話の数々です。


2008-07-09 17:19  nice!(1)  コメント(3) 
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コメント 3

lamer

私も同じ認識でした。
スペインをもっと知らなくては・・・~~~。
by lamer (2008-07-10 17:44) 

れん

アルハンブラ宮殿 ですかぁ~♬  
by れん (2008-07-10 20:36) 

イマイ アオ

lamerさん♪
遠くて遠い国スペインって感じですが、どこか懐かしいのはなぜでしょうね?
れんサン♪
そうです~!アルハンブラ宮殿、行ってみたいです~!異国への憧れは募るばかりでして・・・。
by イマイ アオ (2008-07-13 23:00) 

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