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満月の夜の冒険7.クローゼットの内側 [短編童話 満月の夜の冒険]

七 クローゼットの内側

三人は、二階の寝室へ入りました。お父さんが、クローゼットの中をのぞきこみました。
「みり、寝ていない?」
「うーん、もっとよく見てみないとね。ねこは、上のほうへ上がりたがるものだからなあ。」
クローゼットの中は、収納箱が積まれていました。上段の箱のとなりには、つっぱりぼうが設置され、服が吊り下げてありました。お父さんは、服をよけて、上段の箱の上を探しています。
「お母さん、ライトを持ってきてくれないか。」
「はいよ。」
お母さんは、手元にあった、スマホのライトを点けて、お父さんに手渡しました。
「ありがとう。」
「なにか、見えた?」
すずかちゃんが言うと、お父さんは、天井付近をライトで照らして、言いました。
指さすお父さん.jpg
「見てごらん。天井板が上に押しあがっているところがある。」
「ほんとうだ。」
「じつは、前にも、みりがここで寝ていたことがあったんだよ。でも、今日は、ここから、天井裏へ上がって行ったようだ。」
「そんなことできるの?」
「われわれ人間は、ここから上がるのは無理だな。」
お父さんが、クローゼットから出て来ました。
「よし! みり救出のため、ひみつ基地へ行くぞ! だがその前に、はらごしらえだ。お父さんは、お腹がぺこぺこだ。」
「オッケー。はやく食べちゃいましょう。」
みりが、どこにいるのか、なにをしているのか、はやく探したいけれど、すずかちゃんのお腹も、さっきからグーグーなっていたのでした。


2024-01-29 22:44  nice!(0)  コメント(0) 

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