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短篇小説 W 別天地へ行け
満月の夜の冒険2.庭 [短編童話 満月の夜の冒険]
二 庭
庭のすみっこの、ちいさな穴から、子ねずみが、顔を出しました。家の人には知られていませんが、ここに、野ねずみの親子が暮らしているのでした。子ねずみは、親ねずみから、穴ぐらから出ないようにと、言われていましたが、つい、顔を出してしまったのです。
「あ、おかあさんだ!」
「おみやげよ。」
母ねずみは、クッキーのかけらを、子ねずみたちにあげました。ひとまわり大きな父ねずみが、小走りでやってきました。
「今夜は、なかなかのぼうけんになりそうだ。」
「あなた、おやしきには、わながしかけられているかもしれないのだから、本当に気をつけてね。」
すると、三匹の子ねずみたちは、目をきらきらと輝かせて、父ねずみに言いました。
「ぼくたちも、ついて行っていい?」
「いかん。」
「でも、ぼくたち、ぼうけんがしたいんだよ。」
「絶対に、ついて来ちゃだめだぞ。」
父ねずみは、そう言うと、出かけて行きました。
2024-01-25 14:08
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