「ごんぎつね」新美南吉 作 [読書記録♪]
みなさんは、「ごんぎつね」のお話を知っていますか?
幼いころに読んでもらったり、教科書で習ったりしたことがあるかも知れませんよね。
とてもとても悲しい童話です。
わたしは、これを読むたびに、胸が痛くてたまらなくなります。
仔ぎつねの「ごん」は、いつも、村でいたずらばかりしていました。
ある日、「ごん」は、村の百姓「兵十」どんが捕まえたうなぎを、いたずらして、逃がしてしまいます。
後で、「ごん」は、「兵十」どんのおっ母のお葬式を見かけます。
そして、気がつくのです。
自分があの時、逃がしたうなぎは、「兵十」どんが、病気のおっ母に食べさせようとしていたものだったことを。
きっと、おっ母は、うなぎが食べたい食べたいと言って死んだのだろうと。
「ごん」は、
「兵十」のおっ母が亡くなってしまって、ひとりぼっちになった「兵十」を見かけます。
そして、
ごんは、償いを始めます。
手始めに、「兵十」どんのために、いわしを盗んで家の中へ放り込みます。
ところが、そのために、かえっていわし屋から、盗人よばわりされてひどいめにあった「兵十」どん。
ごんは、しまったと思い、今度は、栗をひろって、そっと家の中へ置いていきます。
時には、まつたけも。
ところが、ある日、いつものように栗を持ってきた「ごん」を、
「兵十」どんは、いたずらをしにきたと勘違いして、火縄銃で撃ち殺してしまうのです。
そして、その時になってやっと、「ごん」が栗を運んできたことに気がつくのです。
「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
「ごん」は、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
「兵十」は火縄銃をばたりと、とり落としました。
青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。
悲しくていたたまれない気持ちのする結末です。
「ごん」は、いつも、村をぶらぶらしていたいたずらものでした。
悪いきつねだったかもしれません。
でも反面、感受性豊かで想像力もあり、
自己の判断のもと、すぐに行動に移せる賢いきつねだったと思うのです。
間違いを犯すまで、善悪の判断がつかなかっただけなのです。
もし、この「ごん」が、「てぶくろを買いに」の仔ぎつねのように、お母さんに見守られて育っていたら、
きっと、このような悲しい死に方はしなかったでしょう。
「ごん」は、仔ぎつねが思いつく、できる限りのつぐないをしました。
作中、
「ごん」の行動と心の変化が、とっても活き活きと書かれているため、
こんなにも、「ごん」に感情移入してしまうのかも知れません。
そして、そんな「ごん」を、知らずに撃ってしまった「兵十」どんの胸の痛みを考えるとき、
悲しみは、一層深くなります。
間違いから学び、相手を思いやることを行動であらわした「ごんぎつね」。
その健気な想いは、夜空に輝く星になりうるくらい素晴らしいものだと、
わたしには、思えるのです。
「ごん」、ありがとう。
新美南吉さん、ありがとう。
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そうそう、かわいそうな話ですが、
作者の「意図」なんとなく良く分かりますヨ~(^^)v
by れん (2008-06-20 23:17)
れんさん♪ご訪問ありがとうございます(^_^)
最近、現実が忙しく、なかなかブログに立ち寄れません。
でも、また、近々伺ってじっくり読ませて&聴かせてもらいますよ~!
by イマイ アオ (2008-06-23 17:15)