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人を救った?魚のお・は・な・し [さらさちゃん♪水想録]

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「ねえ、さらさちゃん、でめちゃん、お魚のすごい物語があるの。聞きたい?」
小赤のさらさちゃんと、黒でめ金のでめちゃんは、思い思いに過ごしていましたが、
みーちゃんの一言で、ひれを振り振り、集合しました。
「どんな?」
好奇心旺盛魚さらさちゃんが、丸い目をまるくしてたずねました。
みーちゃんは、答えました。
「お魚がね、人を救った話なの」
「お魚が、ヒトをすくった?」
でめちゃんが、控え目に小さな声で言いました。
「みーちゃん、お話して」

そこで、みーちゃんは、早速、お話を始めました。
「ある朝はやく、マヌという名前の人に、手を洗うための水がもたらされました。マヌが、水を使っていると、一匹の魚が、
彼の手の中に入りました」

さらさちゃんが、口をはさみました。
「みーちゃん、お魚、大きいの?」

みーちゃんは、考えました。
「そうねぇ、手のひらに入るサイズだから、きっと、さらさちゃん達くらいじゃないかな~きっと?」
さらさちゃんは、意外だとばかりに、上下に泳ぎました。
「そうなの?すごーい」
「そ、そう?」

みーちゃんは、先を続けました。

「その魚は、マヌに言葉をかけました。
 『わたしを、お飼いください。あなたを助けることがあるでしょう』
 マヌは、魚に言いました。
 『何ごとからお前は、わたしを救うのだ?』
 『洪水が、あらゆる生き物を洗い流すでしょう。それから、あなたをお救いするのです』

さらさちゃんは、わからないといった調子で左右に泳ぎながら、言いました。
「アイ、アイ!みーちゃん!魚は、どうして、オカイクダサイって言ったの?それと、コウズイってなあに?」
みーちゃんは、さらさちゃんに顔を近づけました。
「お魚はね、たぶん、マヌの助けになりたかったから、お飼いくださいって言ったのよ。それから、洪水っていうのは、川や海から水があふれだして、どこもかしこも水びたしになっちゃうことよ」

さらさちゃんは、ちょっと、練習がてら繰り返しました。
「わたしを、オカイクダサイ?オカイクダサ~イ?こんな感じ?」

でめちゃんが、真剣な顔でうなずきました。
「なるほど!水びたし・・・それで、ヒトがすくえるんだ」

みーちゃんは、さらさちゃんとでめちゃんの様子を見守りつつ言いました。
「先に進んでもいい?」
「アーイッ!」
「うん」

「マヌは、お魚に聞きました。
 『どのように、お前を飼育しようか?』
すると、お魚は言いました。
 『われわれは、小さい間は、大きな魚にのまれてしまいます。
  ですから、はじめは、ビンの中で、お飼いください。
  それより大きくなりましたら、地面に穴を掘り、水をはってお飼いください。
  もっと大きくなりましたら、海へ放してください。その時には、わたしをのむ魚はおらず、
  危害もないでしょう』

さらさちゃんは、飛び跳ねました。
「みーちゃん、やっぱり、お魚、大きくなるネ」
今度は、みーちゃんが、驚く番でした。
「さらさちゃん、このお話知っているの?」
「ううん?」
「でめちゃんは?」
でめちゃんも、顔をふりふりして、知らない様子です。

「じゃあ、その先ね。えーっと・・・。
 たちまち魚は、大魚となりました。それはそれは、素晴らしく成長しました。
 魚は、マヌに言いました。
 『〇〇年に、洪水が起こるでしょう。舟を用意してください。わたしを待っていてください。
  洪水が起こったとき、  舟にお乗りください。そうすれば、わたしがあなたを、お救いいたします』
 マヌは、言われたとおりに、魚を飼育し、大魚になったところで、海に放しました。
 やがて、魚が予告した年に、洪水が起こりました。
 マヌが、用意しておいた舟に乗ると、魚が近寄ってきました。魚の角にロープを結びつけると、
 魚は、北の山に、舟を導きました。マヌは、魚が言うとおり、水が引いてから、下へ降りたのでした。
 おしまい」

みーちゃんが話終えると、でめちゃんが言いました。
「みーちゃん、それ、誰がつくったおはなし?」
「あのね、インドという国に古くから伝わるお話なのよ。
『ヴェーダ』という聖典のブラーフマナの一節って、書いてあるわ」

でめちゃんは、にこにことして、長いひれで優雅に泳ぎながら、言いました。
「お魚が、ヒトを救うためには、世界中が、水びたしにならないとだめなんだよね。
 ぼくたち、水がないと、泳げないからね」

さらさちゃんは、スイスイスイと泳ぎまわり、みーちゃんのいるところで、ぴたっと静止して言いました。
「魚が、ヒトをすくうには、大きくならなくっちゃ♪それには、ごはん、ごはん、ごは~ん♪
 ね~え♪みーちゃん?ごはんまだ?」

みーちゃんは、なんだか、自分のほっぺにごはん粒でもついているような、おもはゆい気持ちがするのでした。









2008-06-10 14:32  nice!(1)  コメント(2) 

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コメント 2

れん

あのォ~秋に日産の主催の童話展ありますが、、、
そんなようなのに応募したらいかがですか?
イマイさん、、、文書くの上手いから、、、、お薦めしますヨォ~♪

私は1度、応募しましたが落ちました、、(^^)v、、ハハ

by れん (2008-06-12 01:10) 

イマイ アオ

コメント遅れてすみませんm(:.;)m
賞レース!へ応募ですかぁ。
万人受けするものが書けたら、応募してみたいですね~。
お魚ちゃんの話、みんなにわかってもらえるカナ♪?



by イマイ アオ (2008-06-17 21:27) 

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