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古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫) [読書記録♪]

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ハインリッヒ・シュリーマンさんは、古代遺跡を発掘した人物です。

古代の詩人ホメロスが書いた詩篇を読み解き、見つけたのは、「トロイ遺跡」。

極めて実際的に長期的展望を持って夢をかなえた彼の人生は、まさに、小説よりも奇なりです。

ドイツ語、英語、フランス語、オランダ語、スペイン語、ポルトガル語、スウェーデン語、イタリア語、
ギリシア語、ラテン語、ロシア語、アラビア語、トルコ語。
これらは、シュリーマンさんが、話して書くことのできた、言語です。
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古代ギリシアの詩人ホメロス。
彼の著書「イリアス」は、架空のお話だといわれていたそうです。
でも、シュリーマンさんには、本当のことだとしか思えなかったようで、
大人になったら、遺跡をみずから発掘しようと心に決めていたといいます。
どんな時も、ずっとその夢を持ち続けました。8731339.gif

シュリーマンさんが生まれたドイツでは、あまりいいことがありませんでした。
母親の病死、父親の停職による学校退学、度重なる失業、病気、戦争などにより困窮した生活が、彼をおそいました。
それでもいつかは、幼なじみの女性と結婚するために、商いで一人前になることを目標に頑張りました。
2人で一緒になり、トロイ遺跡を発掘するのが夢だったのです。
商人としての仕事が軌道に乗り、早速結婚申し込みの手紙を出したその矢先、
幼なじみの女性は、別の人と結婚してしまったのでした。
その後、クリミア戦争で無一文になった彼は、船員になります。
ところが、乗った船が難破してしまいます。
ちいさなかばんと自分の身だけが残った彼は、ドイツには引き返しませんでした。
その後、オランダのアムステルダムで商売をはじめ、インド藍の貿易の仕事で成功し、財産を増やしました。
その頃までに、彼は、語学をいくつもマスターしています。
41歳の時、事業をすべて清算します。

いよいよ、長年の夢、トロイ遺跡の発掘のために、自分のすべてを費やす時がきたのでした。
でも実はその前に、世界周遊の旅に出たり、考古学を学んだり、「シナと日本」という著作を書いたりして、
ウォーミングアップしています。
学位をとり、ギリシャの女性と結婚もしました。
そして、第一子が生まれる頃、本格的に、第一回トロイ遺跡発掘の準備がととのったのでした。
(49歳の時でした)
その後、11年にわたり、2つの遺跡発掘に成功しています。

シュリーマンさんは、仕事と語学勉強を見事に両立させた人でした。
それもこれも、すべては、トロイ遺跡発掘のためだというのですから、夢を追うのも楽じゃありません。

〈 シュリーマンさんによる あらゆる言語の習得を容易にする方法 〉が、書かれていましたので、引用します。
・非常に多くを音読すること
・決して翻訳しないこと
・毎日一時間をあてること
・つねに興味ある対象について作文を書くこと
・これを教師の指導によって訂正すること
・前日直されたものを暗記して、次の時間に暗誦すること
そして、仕事中にも・・・
・仕事中のちょっとした間にも本をもちあるくこと
仕事が終わった後は・・・
・昼間暗記したことを、夜もう一度暗誦すること(夜のほうが集中しやすいことに気がついた)

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これらを6ヶ月続ければ、
どんな言語も、話したり書いたりできてしまうのだそうです。
(すごーい)

シュリーマンさんは、とにかく働き者だったそうで、
発掘が終わるとすぐ、仕事の成果を、本にのこしています。
これがまた、すばらしく詳細に書かれているそうです。
フランス語やドイツ語など、出版する国にあわせた言語で書いたといいますから、徹底していますね。
現在、彼が発掘したトロイ遺跡は、世界遺産に登録されています。
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2008-03-07 02:31  nice!(0) 
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