SSブログ
myoko.jpg  ←~生命地域~妙高高原♪

お話の練習 47 [照山小6年3組 ももシリーズ♪]


47
ももとゆうこちゃんは、照山古墳公園に着きました。
もみじ祭りの前夜祭は、これから夜になっても続きます。どこからかにぎやかな歌声がしていました。ライトアップの用意もされていました。
2人は、屋台村で、たこ焼きを買い、どこで食べようかと話していました。
「ねえ、あっちから、川の流れる音がするね。あたし、大好きなんだ。水が流れる音って」
「すごい音。心に直接響いてくる」
「川原へ降りて、たこ焼き食べよ?」
ももは、川原へ降りる階段のてすりをしっかりと握って、下を見ました。
「わっ、結構急な階段。降りられるかな?大丈夫?ゆうこちゃん」
「う、うん。今度からももちゃんと遊ぶ時は、スニーカー履いてくることにする」
「うん」
ゆうこちゃんは、先のとがった可愛いくつをはいていました。今日は、そこらじゅうを歩き回って、足が痛くなってしまいました。ももの肩につかまりながら、階段を一歩一歩降りました。川辺には、落ち葉がたくさん散らばっていました。
「きゃー、きれいな水ね」
「ほんとだ。よいしょっと。じゃあ、たこ焼き、いただきまーす」
「あれ?ももちゃん、もう、たこ焼きあけたの?早~い」
「はい、ゆうこちゃんの。・・・うん、ちゃんとたこ入ってた~よかった」
「だって、たこ焼きだもの」
「ところがね!昔、屋台で買ったたこ焼きにね、たこが入ってなかったの。それ以来、ちょっとした『たこなしトラウマ』なんだ」
「完全にサギだわね!たこ焼き屋さんに言った?取り替えてもらった?」
「うううん」
「もしもよ、もしも私だったら、一個目のたこ焼きにたこが入っていなかった時点で、全部のたこ焼きを、つまようじでさして、確認しちゃう」
「食べながら、あれっ?これもない、こっちもないって、結局食べ終わっちゃって」
「証拠は胃の中かぁ」
「おいしかったから、まあいいかって、なっちゃった」
「ももちゃんって、おおらかなのよねぇ」
「すごい小心者だから」
たこ焼きを食べ終わった2人は、そろそろ帰ろうと、階段を登りました。
「ねえ、この細い道は、どこへ続いているの?」
「鈴鳴川のそばをずっと通っているみたいだよ。春になると、桜並木が、すっごくきれいなの」
「私、お花見の時、ここへ何度も来ているのに、まだ桜並木を歩いたことって1度もないの」
「いいんだよ。お花見は、屋台のためにあるんだもん」
「そうそう。桜は、校庭でいつも見てるし。にぎやかなお祭りの雰囲気がいいのよね」
「紅葉も、学校のグラウンドにあるのを見ていればいいし」
ゆうこちゃんは、くすっと笑いました。
「食べ盛りなんだものね、私たち。花よりだんご。だんごよりたこ焼き、ねっ?」
「そういうこと!」
いつか、この少女たちにも、青春とともに、桜や紅葉を愛でる日が来ることでしょう。それはまだ何年も先になるのか、それとも、もうすぐなのかはまだちょっとわかりませんが。


2007-12-01 01:28  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 
短篇小説 W   別天地へ行け

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]