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お話の練習 第一章 35 [照山小6年3組 ももシリーズ♪]


35
廊下を歩いて帰る途中で、松平くんは、気持ちがムカムカしていました。
「マツ、何持ってるの?」
浜口くんが、松平くんが何も言わないでスタスタと歩いていくのを追いかけました。
「先生から卒業アルバムを借りてたんだ。赤城にも貸しててさ、返してもらったところ」
「倉沢じゃなく?」
「違うよ」
「へえ。俺にも見せて」
「ん」
松平くんは、浜口くんに、袋ごとアルバムを渡しました。
「先生の若かりし姿を、見たかったってわけかよ?つまんねぇな。けど、女子は、そういうの、変に喜んだりするもんなんだよな。マツケンも、女子に目覚めたんかい」
「女子なんか、つまんねぇよ」
浜口くんは、テレビに出てくるジャニーズjrのバラエティ班にいそうな雰囲気の明るい子でした。学校の門を出て歩きながら、松平くんと浜口くんは、縁石を飛び移りながら歩いていました。
(どうしようか)
松平くんには、ももに言うべきか迷っていることがありました。
それは、昨日の夜、先生の卒業アルバムを見て発見した、白井ひめ子と黒川ゆり花がそっくりだったということでした。
「マツさ、うちのクラスで誰が一番、可愛いと思う?」
「誰も」
「なにカッコつけてんだぁ?おまえ、腹立つな~」
「ハマーは、倉沢ゆうこでしょ」
「げっ?まじ?おまえにいつ言った?俺?」
浜口くんは、頬っぺたがみるみる赤くなりました。
「見ていれば、わかるよ」
「えー!すごいな。マツは?マツは?」
しつこく聞かれて、松平くんは、答えるのがめんどうくさくなり、浜口くんから先生の卒業アルバムを受け取って、3年9組の黒川ゆり花を指差しました。
「こういう子がいい」
「年上かよ!?」


2007-11-09 00:33  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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