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お話の練習 第一章 28~29 [照山小6年3組 ももシリーズ♪]


28「何だい?母さん。今、取り込み中なんだ」
「聞こえちゃったのよ、あんたの学生の時のアルバムは、私が、全部取っておいてあるの。見る?」
「母さんが持っていたのかよ」
若山先生は、あきれた口調でいいました。
「引越しの時、あんたの部屋の押入れで見つけて、ちゃあんと、取っておいたの」
「人の部屋に勝手に入らないでくれよ」
「ごめんねぇ、でも、あんた、見ないでしょ、アルバムなんて。懐かしいじゃないの。母さんだって、たまに、見たいじゃないの」
「まったく、やめてくれよ。母さんは、どこまで人騒がせなんだ」
先生が、廊下で、ため息をついている頃、、客間で、松平くんが言いました。
「話がようやくわかってきた。赤城、なんでそこまで、他人のことが気になるの?俺にはどうでもいいことに思えるけど」
「それは・・・あたしにも、わからない。でも、どうしてだか、気になって仕方のないことが、松平くんにも、あるでしょう?」
「俺は、ない」
「あたしは、気になることばっかりあるよ」
「こっちは、やらなきゃいけないことでいっぱいだよ。なぁ、先生がアルバムを持っていないなら、ここにいても、仕方ないし、そろそろ、帰らない?」
2人は、立ち上がって、廊下へ出ました。
「先生、お邪魔しました」
先生は、玄関まで見送ってくれました。

29あたりは薄暗くなっていました。
「結局、見せてもらえなかったね、アルバム」
「骨折り損のくたびれもうけってやつ」
「ごめんね。もう遅くなったし、急いで帰らなくっちゃ」
すると、先生の家の石畳をかけてくる音がして、門扉が開きました。
先生のお母さんでした。
「あなたたち」
先生のお母さんが、手招きしました。
「はい、これ」
手渡されたものを見ると、それは、古い卒業アルバムでした。
「博之が、渡しそびれたものよ。わざわざ見に来たんでしょう?持って行って」
ももは、当惑しました。、
「先生は、アルバムは、どこかへやったって言っていました」
「違うのよ、私が、しまっておいた場所を、あの子が知らなかったんだわ。ごめんなさいねぇ」
ももは、受け取っていいものか、考えていました。先生は、いいと言ったのだろうか。
すると、松平くんが言いました。
「ありがとうございます。僕、見たいです。でも今日はもう遅いので、少しの間お借りしていいですか?先生には直接、僕からお話して、そして、お返しします。それで、いいですか?」
「ええ、構わないわ。そうしてちょうだい」
松平くんは、うなずいて、アルバムを受け取りました


2007-11-05 00:48  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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