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追憶の少年 [詩と文学♪]

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樹木の切り株の上を、
小川のせせらぎが、さらさら、さらさら、と流れている。


この場所は、見覚えがある。
水中の切り株を、
幾つも、飛び越え、
大きな切り株を曲がると、過去へ繋がっているのだ。


迷いながらも、
ようやくひとつの風景にたどりついた。


そう、ここだ。
思いだした。
遠い昔、偶然に見つけた、過去への行き方。


ほら、見えてきた。
見覚えのあるまっすぐな樹々。
よく遊んだ、市民ホールの裏玄関。
そこで、3人の友と、出会った。


階段の踊り場に、
小さなソファーがあった。
その周りで、仲間と遊ぶ。
3人の友と、計画を立てたんだ。


彼らは、大人であることを知らない。
子供の時間は、夕方が、タイムリミット。


じゃあ、また明日。


隠し涙の夕闇の中、
もと来た道を、走っていく。
さよなら、を言いたくなかったんだ。


樹木の切り株の上を、
小川のせせらぎが、さらさら、さらさら、と流れていく。
時も、また、流れていく。


3人の友との、
約束を果たすために、
いつかまた、
ここへ来たい。


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2010-07-12 09:44  nice!(0) 

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短篇小説 W   別天地へ行け

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