お水換えが命を守る♪ [さらさちゃん♪水想録]
今日は、お水換えの日。
さらさちゃんとでめちゃんは、水槽から出され、平たい桶の中を回遊していました。
す~いすい、す~いすい、す~いすい、す~いすい
「桶の中はどう?」
みーちゃんが聞くと、さらさちゃんが、顔を出しました。
「ン?」
「底が浅いぶん、身体が軽いんじゃない?ごめんね、しばらく、そこにいてね」
「アイ!」
お魚がいなくなった水槽の中は、とっても、無機質でさみしいイメージです。
水が半分になり、砂利と水草と濾過機が取り出され、ブクブクもなくしんとしています。
みーちゃんは、しっかりと、苔をとって、新鮮なお水を入れてから、2匹を戻すつもりでした。
砂利を洗い終わり、次は、水槽へ砂利を敷きます。
まだまだ、作業は続きます。
「きっと、これからは、お魚の時代がくると思うのよね」
みーちゃんが、どういう根拠があるかわからない発言をしました。
「どーして!?」
さらさちゃんは、聞きもらしません。
いつもより近い位置でお話しができると思って、水面から顔を出しています。
「お水がね、綺麗じゃないと生きられない繊細な生き物に、綺麗なお水を提供して、お世話をさせてもらうことが、お魚への一種の尊敬というか恩返しになると思うの。人間はさ、今まで散々、生き物を取りつくして殺してきたでしょ。中でも、お魚には、本当にお世話になっているのよ。日本はとくに、島国だから、お魚取り放題で暮らしてきたわけで」
さらさちゃんは、言いました。
「お水が命のミナモト・・・?」
「うん。実はそれは、ヒトも一緒。お魚が水の中に生きているように、ヒトにも水が必要だから。水の中に生きているお魚とヒトがね、もっと仲良くできればいいなぁって思うの」
さらさちゃんの横に、でめちゃんも、出てきて顔を並べました。
仲の良い2匹が並んでこちらを見ている様子は、本当に愛らしく、絶対に守らなくてはならない命だと、みーちゃんは思うのでした。
「さらさちゃん、でめちゃん。君たちの命は、あたしが守るから安心しててね」
そうなのです。
お魚にとって、お水換えは、命にかかわる大行事です。
みーちゃんは、水槽の掃除が終わると、次に、新しい水の温度を測りました。
ちょっと冷たかったので、お湯を足して調整したら、ちょうど21度になりました。
「よし」
みーちゃんは、バケツを持ってきて、新しい水を足しました。それから、水草と、濾過機に洗ったフィルターをセットして、コンセントを入れたのでした。
「じゃあ、今水の中まわしたから、あと30分したら戻すね。もちょっと待っててね」
「アイ・・・」
こんな時の金魚たちは、気の毒です。
さらさちゃんとでめちゃんは、網ですくわれるのが好きではありません。
そして、30分後・・・
「じゃあ行くよ、誰からにする?」
声を聞いても、2匹は、知らないふりして、逃げ回っています。
「じゃあ、でめちゃんから。おいで~」
みーちゃんは、網の中にでめちゃんをすくいいれて、すっと網を持ちあげました。
「!」
でめちゃんは、覚悟を決めてじっとしたまま、水換え後の水槽に戻されました。
戻された後は、ほっとした表情でゆるやかにひれを振って、水の感じを確かめています。
「次は、さらさちゃんね。ほら、行くよ~」
ところが、さらさちゃんは、桶の中をどんどん逃げ回ります。すばしこいったらありません。
捕まえられるのが、嫌なのです。
「さらさちゃん、ほら、水槽に戻るよ。ほら入った。はい行くよ~」
網の中にすくわれたさらさちゃんは、バタバタともがき、水しぶきを飛ばします。水槽の中に入ってからも、少し落ち着くまで、網の中から出てきません。じつは、とっても臆病なのでした。
みーちゃんは、それがわかっていたので、さらさちゃんが網から出ていくまで、網をそのままにしておきました。
さあ、お水換えは、無事に終わったようです。
みーちゃんも、さらさちゃんも、でめちゃんも、大変でしたね。
お疲れ様でした/☆
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