さらさ・ホワイト・ジャクソン ♪ [さらさちゃん♪水想録]
「おい、こら、ほい、ほい」
「お母さん、あんまり、脅かさないでね、このこ達びっくりしちゃうから」
水槽の真上から、大きな声で、魚たちに呼びかけていたのは、みーちゃんのお母さんでした。
秋の連休に、みーちゃんの一人住まいへ、遊びに来ていたのでした。
「ほい、くろ!ほい!」
「お母さん、このこはね、でめちゃんっていうの」
「おい、こら、でめ!お前は、優雅に泳ぐな。それに比べて。このこは、せわしないね、あっちへ行ったり、こっちへ来たり」
「さらさちゃんのこと?」
「お前が、さらさか!前に見た時と全然見違えちゃって、どうしたんだね・・・病気か!」
「それがね、大人になって、体の色が、変化したみたいなの。あたしもさ、最初、病気かと思って心配したんだけどね、見て!ほら、うろこもピカピカしてきれいだし、元気に泳いでいるでしょう。病気じゃないと思うんだよね」
さらさちゃんは、元気印のゴールドオレンジだった体の色が、今では、尾ヒレの部分だけを残して、輝く白色に変わってしまっていたのでした。
「しばらく見ないうちに、白くなるなんて、マイケルジャクソンみたいじゃないの」
「マイケルジャクソン・・・って、そんな強引な!」
「名前も、変えるか。・・・おい、ジャクソン!お前は今日から、ジャクソンだ」
「ジャクソンねぇ・・・お母さんのネーミングセンス、たまに、すごくびっくりするよ」
すると、なんと、!さらさちゃんは、なんと、ムーンウォークならぬ、ムーンスイムを始めました!
・・・なんてはずはありません。
ですが、さらさちゃんは、どこか、嬉しそうにしているなと、みーちゃんにはわかりました。
だからといって、急に、名前を変えるだなんて、それは、考えものです。
「さらさって名前は、インスピレーションで、ぱっと決まったんだよね。そうやって名前が降りてくる時って、だいたい長く居着いてくれることが多いから・・・変えたくないなぁ、名前は」
「じゃあ、さらさ・ジャクソンにすればいいんだわ」
お母さんのその言葉で、みーちゃんは、ひらめきました。
「あっ!そうか、外国人みたいにね。じゃあ、『さらさ・ホワイト・ジャクソン』っていうのはどう?」
みーちゃん会心の思い付きです。
「そんな長い名前じゃ、呼びにくいわ!ジャクソンでいいわ、ジャクソンで」
「確かに。それなら、さらさちゃんのほうが、可愛くっていいよっ」
「ジャクソン」
「さ、さらさちゃんっ」
さて、さらさちゃんは、改名して、ジャクソンになってしまうのでしょ~か。。。
※マイケルジャクソンさんの、ご冥福をお祈りします。
共通テーマ:趣味・カルチャー
コメント 0