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ももシリーズ 73 [照山小6年3組 ももシリーズ♪]

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73
ももは、下校時間、ひとりで校庭の隅にあるブランコに乗って、物思いにふけっていました。

(少し前までは、こうしてブランコに乗っている時も、ひめ子さんのことで、頭がいっぱいだったんだよね。
謎めいていてわくわくしてた・・・。謎って、追いかけたくなっちゃうのよね。
でも、今は、ゆうこちゃんと松平くんのことが心配でたまらない。
あたしの大好きな人達の仲が悪くなってしまったら、あたしは、どうすればいいの。
あたしは、ゆうこちゃんの味方なはず。なのに、松平くんのことも、放っておけない気がしてる。
これって、なんなの?あたし、いつの間にそんなに、松平くんのことまで、大事な友達みたいに思っちゃったんだろう)

夕暮れがせまってきていました。ももは、なんだか家に帰りたくありませんでした。
校庭から、ひとりまたひとりと、いなくなっていく生徒の影を、ぼんやりと見ていました。

(この学校に、ひめ子さんが通っていたのは、もう何十年も前なのよね。
その頃は、きっと、校庭の大さくらの木、小さかったんだろうな。
このブランコは、ここに、あったのかしら。ひめ子さんも、ここでこうして、ブランコに乗って考え事をしていたりしたのかしら。友達のことで悩んだりした時は、誰かに相談していたのかしら・・・)

山の端に、太陽の下半分が沈み始めました。
そろそろ、急いで帰らなければ、お母さんたちが心配します。

(ひめ子さんは、早くに本当のお父さんとお母さんとお別れしたのよね。
あたしには、ひめ子さんの辛さは、きっとわからない。
だって、いつも、お父さんも、お母さんも、おにいちゃんも、ねこたちも、待っていてくれるから。
家で心配してくれているから。
あたしは・・・ひめ子さんに、どうしてか魅かれてしまう。
ひめ子さんは、子供の時から、大人びていた・・・。
でも、同じ大人びているにしても、ゆうこちゃんとは、また違うっていうか。人生のことをよく知ってるっていうか・・・。
よくわからないけど。だからなのかな。ひめ子さんみたいに、あたしもなりたいって、思ってしまう。
とくに、今日みたいになんだか疲れちゃった日は、強くそう思うの・・・)


2008-05-24 00:29  nice!(0)  コメント(0) 
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