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短篇小説 W 別天地へ行け
別天地へ行け 21 [乃亜シリーズ♪(混沌的原案)]
21
川でのお清めが終わると、ひとりづつ、宝珠を首にかけていった。
「ほら、あんたのだよ」
私がもらった宝珠は、みんなのものと色が違っていた。
「マナが、来ないから、今日の気に入りは、あんたがつとめるだぁよ。あたしが、替わってやってもいいけどね」
女性たちが、笑い出した。
「あんた、一度だって、気に入りに選ばれたこと、あったかぁ?」
「ふん!うるさい」
「あたしは、絶対にごめんだよ。大声じゃいえないけど」
再び、女性達は、わっと盛り上がった。
祭壇に、首長が現れた。毛皮をまとったその胸には、宝珠をつなげた数珠がさがっていた。
「時は、満ちたり。愛は、永遠なり」
「時は、満ちたり。愛は、永遠なり」
「今宵、ともに過ごす喜びは、皆とともにあり」
「今宵、ともに過ごす喜びは、皆とともにあり」
首長は、祭壇を降りて、私達のもとへ歩いてきた。
女性達はひざまずき、首長を囲み、一人ずつ、前へ出てかしこみ、誓いの言葉を述べていく。
「首長様、愛しています。どうか、わたくしをお求め下さい」
首長は、手を差し伸べる。
「首長様、わたくしは、この命の限り、あなたを愛します。わたくしをお求め下さい」
首長は、つぎつぎと、女性の裸体に触っていった。
私は、その露な姿に、思わず赤面し、顔を背けてしまった。。
これが、本当に愛なのだろうか。
愛って、こんな、なまめかしくて、奇妙なもの?
女性たちは、さっきは、首長を罵っていたのに、今はどうしてこんなことをしているの?
2008-03-08 22:30
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