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お話の練習 59 [照山小6年3組 ももシリーズ♪]


59
教室へ戻ると、他の友達はおらず、ゆうこちゃんだけが、ももが来るのを待っていました。
「ゆうこちゃん、ごめんね、待たせちゃって」
「ううん、平気よ。次音楽室ね。あ、笛忘れないで持ってってね。急ぎましょ」
音楽室へ移動です。
「ももちゃん、マツケンとなにかあったの?みんながすっごくうわさしてるわよ」
「松平くんね、先生のアルバムを返すの遅くなったってことをあたしに言いたかったみたい。それから、ひめ子さんの写真のことも」
「2人で写真を見たの?」
「うん。松平くんがね、自分が先生の卒業アルバムを見たときに思ったことを教えてくれたの。それは、ひめ子さんの双子の片割れが、写真に写っているんじゃないかってことだったの。それでその女の子の名前が、黒川ゆり花っていって、顔はひめ子さんにそっくりなんだけど、イメージが全然違ったの」
「どんなイメージだった?」
「髪が短くて、元気っこな感じかな。松平くんは、そっちのこのほうが好きって言ってた」
「そんなことも言うの!あのマツケンが!へえ。初めて聞くわ。そうだったの」
ゆうこちゃんは、自分の長い髪をさらりと後へ流しました。
「ももちゃん正直、マツケンと話合う?」
「う~ん、合うかはわかんないな、さっきはすっごく楽しかったけど」
「ええっ、そうなの~?」
ゆうこちゃんは、さらに質問しました。
「それで?どっちから告白したの?マツケンでしょ?」
「告白って、そんなこと何にもないってば」
「隠してない?なにか。私、わかっちゃうんだから。女のカンは鋭いのっ」
「なんにもないもん」
「ももちゃんのこと、何でも話し合える親友だって信じてた。恋っていともたやすく、友情を壊してしまうものなのね。」
ゆうこちゃんが、目をうるうるさせました。じつは、半分は、話を聞きだすための演技なのですが・・・。
ももは、はっとしました。ゆうこちゃんに言っていない事は確かにありました。それは、土曜の午後、ゆうこちゃんと別れた後のことでした。
「そうだ!ゆうこちゃん、やっぱりある」
ゆうこちゃんは、けろっと泣き止んで、にっこり笑いました。
「ほらぁ!続きは放課後、たっぷり聞かせてもらうからねっ」


2008-01-11 01:40  nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
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コメント 3

ご訪問いただきnice!とコメント有難うございました。アオさんが、これからどんなお話を楽しませてくださるか興味津々です。よろしくお願いいたします。
by (2008-01-11 10:04) 

【おとなのアート】

はじめまして。
ももシリーズ、面白いですね。この続きがすごく気になります。
帰り道の方はドキドキしながら読みました。松田さん、天使になれてよかったです☆

申し遅れました、私は【おとなのアート】【おとなのコラム】というサイトの運営スタッフです。
ここで、読者の方々からお送りいただくアート作品や書き物を毎週掲載しています。

そして、素敵なアートを描く方、文章を書く方を日々探しています。
もし宜しかったらサイトに遊びにお越し下さいませんか?お待ちしています。

簡単ですがご挨拶です。
失礼致しました。
by 【おとなのアート】 (2008-01-11 14:26) 

今井愛魚

はじめまして!コメントありがとうございます~!
パソコンに向かって小説を書いていると、時間を忘れて異世界に入り込むことができて、ほんとに楽しいです。
調べものをしますから、勉強にもなります。
「帰り道」は最初から題名だけが決まっていて、でもまさか松田さんが幽霊だったなんて、書いてて私もびっくりしました。
読んでいただけて、嬉しいです。
【おとなのアート】【おとなのコラム】を拝見しました。手作り感のある素敵なサイトですね。すごいなぁと思いました。私もおもしろいものを書けるようにがんばります!
by 今井愛魚 (2008-01-12 18:23) 

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短篇小説 W   別天地へ行け

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