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お話の練習 51 [照山小6年3組 ももシリーズ♪]


51
その晩、ももは、いつもなら遅くまで起きてテレビを観ているところですが、早めに自分の部屋へ引き上げました。本当はずっと居間にいたかったのですが、お母さんから、今日は早く寝なさいと、無言の圧力がかかってきたのでした。
おにいちゃんがお笑い番組を観て笑っている声が、天井と壁を通して聞こえてきました。
あ~あ、楽しそう。いいなぁ、おにいちゃん。
ももは今すぐにでも居間に戻ろうかと思いましたが、やめました。ふとんから出るのが寒かったのです。
ふとんの中は、あっけなく、暖かく心地よい場所へと変わっていました。
いろんなことがあると、眠れないものです。
ももは、ベッドの中で、今日の出来事を思い返していました。
(病院へ迎えに来てくれた時、般若のように怖い顔をしていたお母さん。
どうして、心配しただけで、あんなに怖い顔になるのか不思議。
浜口くんのお父さんとお母さんは、うちのお母さん程怖い顔じゃなかったよ。
松平くんが、浜口くんのことで泣き出しそうな顔になったとき、あたしちょっと感動しちゃったな。
なんだかんだ言っても友達思いじゃんって思った。
あたしのことは、すぐ見下すけどね。何なんだろうね。
ゆうこちゃんには絶対、そんな言い方しないのに。ゆうこちゃんが人に見下されるの大嫌いなことわかってるのかなぁ。
それにしても、ゆうこちゃんと一緒に、男の子を追いかけた時、偶然に、『幸せの家』を見つけちゃって驚いた。あたしが思い描いていた家よりも、ずっといい雰囲気の家だったから嬉しかった。
あたしがもし、ひめ子さんだったなら、あの家で幸せに暮らしていたかなぁ。
今度、遊びに行って中を見せてもらいたいな。でも、そんなことしたら、先生に怒られるかな。
先生の初恋の人、ひめ子さん。
マラソン大会の時に見つけた古い家のおばあさんの娘、ひめ子さん。
小学生の頃、高校生の男子とかけおちをしようして補導された、ひめ子さん。
先生から借りた、中学校卒業アルバムにのっていたひめ子さんは、本当にきれいで、可憐で、どんな人も魅了するような人だった。
あたしは、どうしてこんなに、ひめ子さんが気になるのだろう。関係のない、知らない人のことなのに・・・。そうだ、同じことを誰かにも言われたっけ。
そう、その後、俺は、やらなきゃならないことでいっぱいだって言ってた・・・松平くんだ。
松平くんか・・・。また出てきた。あの子のことなんか、どうだっていいのに。
そうだアルバムちゃんと先生に返してくれたかなぁ・・・。
あたし、明日早く起きて、公園に行かなくちゃ。かばん見つけにいかなくっちゃ・・・)
ももは、いつの間にか、すやすやと眠りに落ちていました。


2007-12-14 00:59  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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