お話の練習のつづき 39~40 [照山小6年3組 ももシリーズ♪]
39
松平くんと浜口くんは、照山古墳公園に到着しました。
照山もみじ祭りの前夜祭が催されているところでした。
サイクリングコースのところどころに、小さなお子さん連れの人たちがいて、楽しそうに笑ったり騒いだりしていました。
今日は、サイクリングには不向きな日のようです。
松平くんと浜口くんは、自転車を降りて、近くを流れている鈴鳴川の水がさわれるところまで下りていきました。
水は、ゆっくりと流れて光っていました。
松平くんが、突然、裸足になり、水の中へ入りました。
「おおっ!すげぇ」
「魚いる?」
浜口くんも、くつとくつしたを放り投げて、松平くんに続きました。
「冷てぇ!」
「なぁ、今度さ、つりしようぜ。魚つり」
赤や黄や橙色の葉が、浮かんで流れてくるのを手でひろって、上流へ目をやると、川岸のあたりの紅葉が、水の面へ映りこんでいました。
「前に、照山へ登った時に、釣り場があったのを、俺、見たんだ」
「行ってみよう!」
浜口くんが、目を輝かせました。
「このまま、歩いて上流へ行ってみよう!」
「おし!」
この川の名前は、鈴鳴川といって、照山の上流から流れてきているのでした。
川床は浅く、川の岸には、大小さまざまな石ころがあり、踏んで歩いていくのはいかにも楽しそうに思えました。
こうして、2人の男子は、川を遡る小さな旅に出たのでした。
40
ロボット公園の小山から下りて、ゴミを捨てた後、ももとゆうこちゃんは、「幸せの家」を探しにでかけました。
学校のグラウンドの真南に立ち、土に埋め込んであるタイヤの上にのって、それらしい建物はないかと背伸びして探しました。
「『幸せの家』って、何色の建物なんだろうね」
「わからないけれど、たぶん、ピンクかなぁ」
「それは、ももちゃんのカン?」
「うん。幸せって、ピンク色のイメージなんだよね」
それを聞いて、ゆうこちゃんは、考えました。
「幸せ。私だったら・・・幸せっていうと、明るい色。暖炉の火の色かな、オレンジ色。暖かそうでしょ」
ももは、タイヤの上に座りました。
「みんなにとっての本当の幸せの色は、何色なんだろうね?あ、ゆうこちゃん、あたし急にひらめいちゃった」
ももは、手をパンとたたきました。
「虹の色」
ゆうこちゃんも、パンと手をたたきました。
「きれい」
「なないろの虹の家を探しに行こうよ」
「行きましょ!でも、そんな家、現実的に、あるかしら?ももちゃん」
「あるかもしれないよ。行こう、ゆうこちゃん」
2人は、グラウンドを出ました。
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