道の奥のオブジェの夢 [夢系の話♪]
さてと、行けるところまで行きますか。
今進もうとしているのは、土のにおいがする道。
近くにはきちんとした幹線道路があるけれど、
歩いては進めないから、
その横の、緑に覆われ、古びてしまっている道を行く。
新しい道路ができて以来、使われなくなったであろう道のほうを。
そうは言っても、通れないことはない。土や石ころ、草だらけではあるけれど、歩いて行けそうだ。
この道、さほど長い間放置してあったようには見えない。
ただ、どこへ続いているのか、遠くまで見通せない。
街路樹だった木々が、好き放題に伸びて、視界を狭めているからだ。
自然の力ってすごいな。人が見向きもしないところで、こうやって、草も木も、元気に茂っているのだもの。
ところで、私は、どこをめざしているんだっけ。
じつは、この道の奥には、何かがあるらしいのだけど、それがなにかはわからない。
なのに、わからないままに、背中を押されているような、そんな気がして、感覚を頼りに進んでいく。
人を探していたように思うけど、それが誰だったかはわからないし、
何かが待っていていたとしても、それを見てはいけないような気もして。
こんな複雑な感覚に見舞われたら、立ち止まっていると、気持ちが収まらない。
そして、わたしは、進むことにしたのだった。
歩みを進めれば進めるほど、鬱蒼とした木々の暗がりが増え、薄暗い感じになってきた。
かまわず進んで行ったら、しばらくして石壁が出現し、天井までもが石づくりになっている広場に行き着いた。
奥のほうに、巨大な顔を象った、石の彫刻があった。
顔は、日本人っぽくない。
日本ではあまり見たことのないものだ。
エジプトの建造物みたいな、古代の遺物のような。
なんだろう、これは。
私は、手を伸ばして触ってみた。
すると、彫刻の顎の部分が取れて、下に落ちた。
私が壊した……わけじゃないよね?
ただ触っただけで落ちるような、仕掛けがあったのかな。
すると、おずおずと退く私に、声をかけてきた人がいた。
知らない人だった。
他にも人がいたことに安心したものの、
壊れた彫刻をそのままにしておいていいかどうか、わからないまま、私は、その人に急かされるようにして、さらに奥のほうへ走った。
ところが、なんだろう、謎の物体が、私たちの背中めがけて飛んできた。
呪いか祟り、そんな状況。
でも、不思議と、そんなに怖くなくて、オブジェを振り返ると、顔はこちらを向いていて、じっと見守っているように思えた。
そんな夢を見た。
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