←~生命地域~妙高高原♪
短篇小説 W 別天地へ行け
回廊(まわり道) [詩と文学♪]
回廊をさまよい、扉を開けては入っていく。
迷いなき心を探すために。
まずは、一通り、
開けたい扉を全て開けたが、その向こうには何もなかった。
仕方なく、
開けたくない扉も、いくつもいくつも開けていったが、
嫌だな嫌だなとちっとも前に進めず、らちが明かなかった。
開けたい扉を開けて行ったときは、開けたくて開けた。
でも、何もなかった。
開けたくない扉を開けたら、嫌なもの怖いものがたくさんあった。
開けなければよかったと思った。
回廊なんかを、うろつくのは、やめにすればいい。
でも、後ろへ戻ろうとは思わない。
探しても探しても探しても探しても、
ついに、迷いなき心は見つからなかった。
見つからないのは、ないものと同じ。
そう考えたら、納得できた。
わたしは、きっと、回廊そのものが、好きなのだろう。
2015-07-10 23:42
nice!(1)
コメント(0)
共通テーマ:趣味・カルチャー
共通テーマ:趣味・カルチャー
コメント 0