水族館でデート♪ [さらさちゃん♪水想録]
みーちゃんは、成田くんを誘って、市立水族館へ来ました。
平日の午前中だったためか、お客さんの姿は少なめ。
館内は、美しい照明に彩られて、すばらしい展示ばかりです。
2人は、最初、同じ調子で見ていたのですが、
熱心に見るみーちゃんについていけなくなり、成田くんは、ベンチに腰掛けました。
みーちゃんが、ひとつの水槽に行っては感心し、また移動しては、じーっと見つめていますと、
みーちゃんに応えるようにして、じーっと見つめ返してくるお魚がいました!
ハコフグの仲間でした。
とってもキュートな外見におちょぼ口がついていて、ぱたぱたと泳いでいる姿は、なんとも、可愛らしく、みーちゃんは、家でいつもしているみたいに、お魚たちに話しかけました。
「こんにちは~はじめまして♪」
「・・・・♪」
ハコフグの仲間は、目をぱちくりして、こちらを見続けた後、ぷいっと泳いで視界からいなくなってしまいました。
みーちゃんが、ハコフグを真似て口を尖らせていると、成田くんが、笑いました。
「魚に振られてやんの」
「なんかね、こっちをすごく見てたから、話しかけてみたんだけど。言葉が通じなかったのかなぁ」
「こいつら、人をバカにしてんだろ、コラッ」
成田くんが、大きめの声を出したので、みーちゃんはびっくりしました。
「成田くん、しーしーっ!声が大きい」
「ちぇっ、誰もいねえよ~」
たまに子供みたいになってしまう無邪気な成田くんなのでした。
その後、みーちゃんと成田くんは、
マントが水中を飛んでいるみたいに泳ぐマダラエイ、
大きくてゆったりと泳ぐオレ様といった風情のメガネモチノウオ、
ひとなつっこい表情のすっぽんもどき、
アマゾン川に住む大きな魚ピラルク、などなど順路に沿って見て回りました。
「みー、ここで問題。俺は今、眠いでしょうか?のどが渇いたでしょうか?疲れて休みたいでしょうか?さあ、どれ!?」
「なあに?お魚クイズはじめるのかと思った」
「俺クイズです。テケテケテケテケ、ブー!正解は、全部です!」
「そっか、ごめんごめん。じっくり見すぎちゃった。じゃあ、2階へ行って、ジュースでも飲も」
エレベーターで2階へ上がり、ジュースを買って、展望台まで登ると、青い海が見えました。
「はーっ、見晴らしがいいねぇ」
すると、突然の強風にあおられて、みーちゃんの帽子が飛んでいきます。
「あっ」
目で追いかけると、それは、水族館名物のサイクルモノレールの端にひっかかりました。
「大変!どうしよう!」
すると、成田くんが、
「しょーがねえな。俺がちょっくら行って取ってくるよ」
「え?ええ~?ここ、伝って取りに行くの?嘘、うそでしょ?」
「まさか!そんなことしねえってばよ。猿じゃあるまいし!水族館の人に話して取ってもらってくる」
「あたしも、行く」
1階の事務室へ行って、事情を話すと、職員の人がみーちゃんの帽子を取ってきてくれました。
「ありがとうございました」
「よかったね~」
帽子を受け取ったみーちゃんは、帽子をかばんの中にしまいました。
再び、水族館の中へ戻り、今度は、館内で一番大きな2階建ての水槽を見に行きました。
そこでは、ちょうど、魚たちにえさを与えていました。
「うちのさらさちゃんとでめちゃんにも、ごはんあげなくっちゃ」
「いつあげてんの?」
「朝と夜の2回」
「へえ、少なすぎないか?あいつら、いつも腹減らしてるべさ」
「もっとあげても大丈夫かな・・・?」
みーちゃんは、帰り際、お魚の飼育について、水族館のお姉さんに教えてもらうことができました。
「金魚ですか、どれくらいの大きさですか?」
みーちゃんは、手を添えて、説明します。
「2年ほど飼育していて、これくらいの小赤と黒でめきんです」
「そうですね、大きな金魚なら、2日に一回くらいでも大丈夫ですよ。1週間くらいあげなくても、平気です。長生きさせたければ、えさは与え過ぎないほうがいいですよ」
「えぇ、そんなに少なくていいんですか???」
その後、海沿いのカフェで、成田くんとランチを食べて、コーヒーを飲みました。
「今日は、楽しかったね」
「みーは、魚とか、ほんっと好きだね」
「やっぱね、飼ってると、可愛いし」
「可愛がり過ぎて、今の調子で朝晩エサあげてたら、ブタ魚になるとこだったどころか、死んでまうかもしれなかったな~人の感覚じゃ測れないよなぁ、魚は」
そして・・・本日より、重要なお知らせです。
さらさちゃん&でめちゃん待望の~お食事は、なんとっ!
テケテケテケテケ・・・・(←成田くんの影響・・・)
一日一回になりました。
わ~!
健康のためとはいえ、2日に一回ではさすがに可哀想なので・・・、一日一回になったとさ。
さあ、今晩から、さらさちゃんの抗議が始まりそうです。
共通テーマ:趣味・カルチャー
コメント 0