金魚の月と星♪ [さらさちゃん♪水想録]
「いつも、暗くなって、光ってイルノナニ?」
「それは、お月様かお星様よ」
「オツキサマ、オホシサマ、いっつも、ピカピカ、光ってイルネ♪」
「今日は、曇っていて、みえないわ」
「そんなことナイヨ」
「あるある」
「ナイナイ♪」
「だってね、さらさちゃん、お月様は、満ち欠けをするの。それに、お星様だって、雲に隠れていることもあるんだから」
「ン?」
さらさちゃんは、わからないかわりに、目をすこーし、いぶかしげにしてみせました。
「みーちゃん、消してみて」
「なにを?」
「部屋のアカリ」
さらさちゃんは、頼みました。でめちゃんは、さらさちゃんの横で、眠そうにしています。
「はやく、はやく」
「わかったわ、じゃ、消すわよ~」
ぱちっ
部屋の中は、真っ暗になりました。みーちゃんは、壁のスイッチから手を離すと、目が慣れるまで、じっと待ちました。
「みーちゃん、見えたヨ♪」
みーちゃんには、月も星も、みえませんでした。見えるのは、真っ暗な夜の空。
とはいえ、夜空には、たとえ曇っている時でも、星はあるのです。宇宙のむこうに、必ず。さらさちゃんは、宇宙のむこうの星を感じているのかしら?そんなに深遠な考えをしているのかしら?簡単な言葉しかしゃべれないからといって、幼稚だということは、ないのかしら、ひょっとしたら、さらさちゃんは・・・。みーちゃんが、物思いにふけっていると・・・。
「アカ、キ、アオ、アカ、キ、ミドリミドリミドリ」
「どうしたの?さらさちゃん?」
「オホシサマ、オツキサマ、きれい♪」
みーちゃんは、金魚達のそばに行き、彼らの見ている方向に、目をむけました。
「まあ、ほんと、きれいだわ」
テレビの主電源の赤いランプ、
その下のWiiの電源の黄色いランプ、 ブルーレイレコーダーの青い光、
スカパーチューナーの赤い光
少し離れたところにあるインターネットのモデムのちかちか光る緑色のランプ・・・
さらさちゃん達だけの、お月様、お星様が、あったって、まったく構わないわ、と、みーちゃんは、思うのでした。
それは、とってもとっても、きれいに、光り瞬いていたのですもの。
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