SSブログ
myoko.jpg  ←~生命地域~妙高高原♪

小千谷の錦鯉見て来たよ♪ [さらさちゃん♪水想録]

11113223.gif
「さらさちゃん、今日ね、小千谷の錦鯉を見て来たよ」
金魚のさらさちゃんは、みーちゃんが帰って来たので、水槽の手前のほうへ寄りました。
「お帰り!みーちゃん。にしきごい・・・?みーちゃんは、恋多きオンナだネ」
さらさちゃんは、ひょっとこみたいに、おどけました。
「そうじゃないのよ~その恋じゃなくってね、お魚の鯉!
錦鯉ねぇ、きれいだったよ、大きかったよ~。それでね、目は小さかった。といったって、さらさちゃんよりも大きい目だったけど、体の比率からいったら、小さな目だったっていうか・・・。それでね、錦鯉はね、何十年も生きるんだって。あたし、すっかり魅入られちゃった」
みーちゃんは、マグカップにココアを入れ、ポットのお湯を注ぎました。
「それでね、えさをあげたの。そのえさはね、こ~んなに大きいの。アイスのコーンの中にたっぷりと入っていて・・・それをね、そのコーンごとあげていいですよってことだったの。錦鯉達、ぱかっと大きな口で、みるみる吸いこんでいったのよ」
さらさちゃんは、みーちゃんが話すのを聞いて、そのアイスのコーンの中に入っていた大きなえさというのに、大変興味を持ちました。
「ねぇ、みーちゃん、にしきごいのえさは、金魚のと違うの?」
「大きさが全然ね。あ、ねえそうだわ、ちょっと待っててね」
みーちゃんが、かばんから小さな紙袋を探ると、たった一粒だけ、錦鯉のえさが残っていました。
「!」
さらさちゃんは、そのえさを見ると、水面から半分以上も顔を出し、いつもの倍速で口をぱくぱくさせました。
「あらあら!さらさちゃん、無理よ~。あはは!こんな大きなえさ、あげられないわ。小さく砕いてからにしなくっちゃね」
さらさちゃんは、あきらめません。ぴょんぴょん飛び上がって、えさをそのままの大きさでちょうだいと、催促するのでした。
みーちゃんは、言いました。
「さらさちゃん、それじゃあ、でめちゃんを呼んできてくれる?」
「ン?」
さらさちゃんは、聞こえないふりです。大きなえさを、全部一匹で、食べようというのでしょうか。
「わかったわ。はい、さらさちゃん」
みーちゃんは、根負けして、水面に、錦鯉のえさを浮かべるのでした。
さらさちゃんは、大喜びでえさに飛びつきました。
ところが、えさは、硬くて大きすぎ、ちっとも、さらさちゃんの口の中に入りません。
しばらく頑張っていたさらさちゃんでしたが、とうとう諦めて、みーちゃんに言いました。

「イイ夢見せてもらったゼ・・・」



2008-10-08 20:22  nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 
短篇小説 W   別天地へ行け

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。