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関口知宏さんのファーストジャパニーズ♪第一回 [人生の旅人関口知宏さん★]

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イタリアのフィレンツェの町に降り立った関口知宏さん、新しい門出です。
にこやかなお顔。
新たなる旅立ちは、リラックスモードな感じです。

関口さん 「わたくし新しいことはじめるときは、雨降りますからね。
       祝福ととっていいのでしょーか」

道行く人が、かばんを提げています。
関口さん 「この街を革のバッグで歩くと似合うね~ンフフフ」

イタリアの有名なかばんのお店に入りました。
そこに置いてある素敵なかばんは、みな日本人の職人さんが作ったものなのだそうです。
店員さんによれば、職人の高い技術を駆使した丁寧な仕上げが店の評判を支えています、とのこと。
17世紀に建てられた古い建物の中に、その工房がありました。
中へ入ると、1956年の当時から数えて3000枚のかばんの型紙が、壁一面に飾られているのでした。
さあ、日本の職人さんの登場です。
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大平智生さんです。
大平さんは、こつこつと作業を行う職人さんのように見受けられました。
大平さんは、かばんの型紙をつくるという難しいことを、ひとりでおこなっているのでした。
かばん作りのすべての工程をひとりでおこなうことができる人は、フィレンツェでも、数人しかいないといいます。

大平さん 「ここの型紙はやはり基本がしっかりしてる。普通の工場では見ることのない作り方」

チェレリーニブランドは、独特な立体感のあるかたちのかばんなのだそうです。
チェレリーニの創業者、シルバーノ チェレリーニさんが、登場されました。めがねをかけた白髪のおじいさんでした。

チェレリーニさん 「大平は完璧な職人、まじめな人間です。大切な弟子であり尊敬しています。
            どこの工房をさがしても彼のような人はいません」
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大平さんの働きぶりは、創業者チェレリーニさんのお墨付きなのです。
裏を返せば、そうでなければ、工房など任せられないということになるのでしょう。

(ところで、このあたりの場面には、関口さんは映っていますが、気配消してますよ~。そして、楽しそう、にこやかです)

そこへ、かばんの細いふちのところの部分が少し足りないといって、女性がかばんを持って、大平さんのところへやって来ました。
大平さんは、さっそく修正にとりかかります。小刀で細長い革2本を1本につなぐという細かい作業をおこないます。
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関口さん 「薄切りスライス・・・」
大平さん 「かばんの接ぎ目を見せない。革は大きさが限られているんで・・・
        長いものとかは・・・(この作業は)『接ぎ』っていうんですけど」
関口さん 「わからないように接げるもんなんですね」

大平さんの指先は、迷いのない確かさで、とんとんとんとんと「接ぎ」の作業を行っていきます。
すると、革と革の接ぎ目は、まったくなくなってしまいました。

関口さん 「何事もなかったかのようにやってしまいました!」
大平さん 「はは」
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大平さんは、東京生まれの東京育ち。(関口さんもです)
大平さんは、幼い頃から手先が器用で、小学校5年生の時に、木彫りの筆箱をつくったのだそうです。
そして、16歳の時、ロックバンド(ドアーズかな?)に憧れて、
彼らが着用していた「黒革のズボン」がどうしてもほしくなり、お手製で作ったのですって。
手に入らないなら、自分で作っちゃうぞ。
そういう精神、とってもいですよね♪

太平さんは、22歳でイタリアのフィレンツェに渡り、語学学校に入ったのでした。
最初から、かばんづくりのために、イタリアへ渡ったのではなかったようです。

大平さんと関口さんは、街を歩きながらおしゃべりします。
関口さんは、素敵なフィレンツェの町並みを腕で差しながら、聞きました。

関口さん 「こういうのを見て、いいと思ったんですか?」
大平さん 「欲しいなって思って、見ちゃうじゃないですか。
       ああ、でも、(自分で)つくれるんじゃないかなって」

そう思った太平さんは、いくつもの工房を渡って、腕を磨いたのでした。
そして、3年前に、チェレリーニさんの工房に入ったのです。
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関口さんが、太平さんの黒い車で連れてきてもらったのは、秘密基地みたいな工房でした。
じつは大平さん、開業資金を借りて、多くの人の支援に支えられながら、あることを始める計画なのでした。

関口さん 「いよいよ、ここで一本立ちしようという・・・?」

そうなのです。新しい「CISEI」ブランドを立ち上げるのです。
大平さんは、関口さんとの会話の中で、関口さんのために、すばらしい申し出をしてくれました。
一番最初のお客様として、バッグをひとつ、つくりましょうというのです。
関口さんは、超喜び!
そして、イメージします。どんなバッグがいいかな~?

関口さん 「三日月・・・背が高いんで、長い紐、ショルダーバッグ」9655268.gif
イメージ画を大平さんに渡すが早いか、

関口さん 「あれ?もう切りに入ってんだ~早っ!」
大平さん 「まあ、ざっくりと」

あっという間に半月形のかばんの型紙ができました。8991206.gif

関口さん 「お店の名前は・・・智生って?」
大平さん 「僕の名前なんですけど、ブランドなんですよ」
関口さん 「僕の名前と『智』の字が同じ。僕の本名はこう(紙に智と書きます)←智宏さん。
       バッグにこの字を入れるなんてのは」

関口さんの提案に、大平さんは、のってくれました。10101759.gif
大平さんは、革を選びに行きました。よい革を丹念にチェックして、購入するのです。
実は、フィレンチェの職人さんの暮らしは楽ではないそうです。
今、奥さんと娘さんの3人暮らしですが、奥さんはおみやげ物屋さんで働いて、家計を助けているのだそうですよ。
そして、これからは、新しい工房にすべてをかけて、頑張っていきます。

大平さん 「職人は、共働きであるか、2つ仕事持ってる人がいますよ。
       (僕は)これからなんで、やっていけるかどうか
       は、やってみないと。自信がなかったらはじめませんけどね」

いよいよ、チェレリーニ工房でのお勤め、最後の日になりました。
関口さんは、平身低頭、にこやかに工房へお邪魔します。

関口さん 「お疲れ様です。今、何中ですか?」 
大平さん 「きょうは裁断」

関口さん 「こことのつきあいは無くなっちゃうんですかね」
大平さん 「そりゃ、あいさつにはくるだろうし・・・うん」
関口さん 「そういう感じですよね」
大平さん 「そうですね」

奥の部屋では、チェレリーニさんが、虫眼鏡を使って作業をしていました。
関口さんが話しかけます。
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関口さん 「今日で大平さんが去っちゃいます。さびしいですか?」

もくもくと細かい作業を続けながら、口を開くチェレリーニさんです。

チェレリーニさん 
 「ここで、50年間いますが、働いていた職人がいなくなるときはいつも寂しいです。
 暮らしが大変で、消防士になってしまったひともいます。職人の生活は保障できませんから。
 今まで、大平に失望させられたことは一度もない。誰も彼を止められない。
 大平の成功を祈っています」
チェレリーニさんは、関口さんに顔を向けることなく、そう話してくれました。
関口さんは、チェレリーニさんの後ろでつぶやきます。
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関口さん 「何度も別れを経験してきたひとの背中・・・」
関口さんは、何を思ったのでしょうか。

最後のかばんは、
いつもと同じように丁寧に作っていきます、最後に、がしりと仕立てて完成です。
大平さんが最後に仕上げたかばんは、ショーウィンドウの外から見えるところへ飾られました。

チェレリーニさんと、工房で最後のお別れをしました。
2人はがっしりと握手、そして抱擁とキスをかわしました。
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「ちゃお がんばってね」
「ありがとう」
「元気で」
「幸運をいのっているよ」
「ありがとう」

映像というのは、こういうとき、多くの気持ちを私たちにもたらしてくれます。
大平さんは、片付けを始めます。その表情は、唇では笑みを浮かべていても、目の奥はさみしそうに見えました。

同じ工房の仲間たちともお別れです。
「たまには遊びにきてね」
「元気でね」
「あなたもね」
「お元気であなたも」
「あなたも」

関口さんは、大平さんたちの後ろで、背景のようにその様子を見守っていました。11113223.gif
職人たちの誇りが生きている街には、ルネサンス時代の彫像が数多く残されています。
鍛冶屋組合の守護聖人、石材組合の守護聖人などの大きな彫像の下に、
当時の職人たちの仕事ぶりが克明に彫り描かれています。

関口さんは、オルトラルノ地区を散策することにしました。
家具屋さんがあったので、のぞいてみました。店員さんが、笑って招き入れてくれました。

関口さん 「ボンジョールノ!ここはあの、家具を直すところです?」
店の主人  「そうです、どうぞ」
入ってみると、そこは、4代続く家具の修理工房でした。
そこの木工職人さんたちの技は、ルネサンス時代から変わらない伝統が受け継がれているのでした。
15年もかかった修道院の補修もしたし、クレムリン宮殿も直したのだそうですよ。

さらに職人街を行けば、小さな鍛冶工房がありました。日本の若い男の人が働いていました。
秋山健さんの登場です。

秋山さん 「他の工房は全部だめだったんですけど、ここは来てるうちに大丈夫って感じで、
       いるようになったんです。
       最初、ナポリで鍛冶屋さんを見つけてそれで・・・。結構苦労も多いですけど」
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そこの鍛冶屋の旦那さんは、にこやかで話好きなおじいさんでした。関口さんをなじみのカフェへ連れて行ってくれました。
旦那さん 「さあ 飲んで!健にね、新しい作業靴をあげたんだ。
       そしたら、すぐに履いて、ぴったりだって、嬉しそうに言うんだ。
       おはようございますって、毎朝頭を下げるんだ。
       もう下げなくてもいいのに、毎朝繰り返すんだ」

とてもにこにこと嬉しそうに、秋山健さんのことを語る旦那さんを見て、関口さんも、なんとも嬉しそうな表情をします。

関口さん 「優しいねぇ、家族みたいになってはるんだ」
旦那さん 「俺が引退したら工房を健に、譲ろうと思っているよ」

その場を後にした関口さんは、つぶやきます。

関口さん 「みんな優しいよね、素敵な時間すごしてるよな。後悔しない時間を過ごしてる」

大平さんの工房のオープンの日は、奥さんと娘さんもお手伝いにみえました。
今日の日が、弟さんの結婚式と重なってしまったとのことで、弟さんの家族に、テレビ電話をかけました。
大平さん家族 「おめでとう」
弟さん家族  「あの独立されるそうでがんばって」
関口さん   「はじめてのお客です、おめでとうございます」
弟さん家族  「よっぱらってます」
         「わたくしあなたのファンですよ」
関口さん   「今から智生さんの工房の中をお見せします」
大平さん家族 「これ、ミシンね」
弟さん家族 「こんばんは」
        「一番下の弟です」
大平さん家族 「もうちょと工房みせますから」
「ばいばーい、さよなら」                       10687823.gif

離れていても、支援協力しあえる、仲のご家族なようですね。

大平さんが、大先輩に会いに行くということで、関口さんも同行しました。
モランド、パルドゥッチさんです。

モランドさん 「かばん職人をつづけるんだね」
大平さん  「はい」
モランドさん 「私と同じ道をいくんだ」
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モランドさんは、大事なことを教えてくれました。
モランドさん 「何よりも自分にたいして誇りを持つことだよ。
         心をこめて仕事をする職人はなかなかいない。
         仕事をこなすだけの職人が多い。智生は自分を表現するのが苦手だ。
         ワインの栓を抜くように個性を出したほうがいいよ」

大平さんは、言います。
大平さん 「今は、わりとフィレンツェという名前に助けられている。
       それを、はぶいても通用するように早くならないとな、と」

関口さんの旅の終わりの日。
この日も太平さんの工房へ行くと、日本人の若者の姿がありました。その人は、日本では電気工事士をしていたのだそうですが、無給で、太平さんのお弟子になりに来たのだそうです。

関口さん 「ほんとにやりたいことだったりすれば、できちゃうのかな」
若者   「海外まで来ちゃったし、やらなきゃなって」
関口さん 「何していいか僕わかんない、というひととは全く違う、それとはまた話が違うわけですね?」

異国の地での修行、がんばってください。11179050.gif

関口さんのかばんは、生後6ヶ月の子牛の革で、とても柔らかく体にフィットするものになりそうです。
関口さん、わくわくです。
「智」の刻印に使う字は、関口さんが書くことになりました。

大平さん 「かっこいい、自分の字がこんなにきれいになったことはない」
関口さん 「へへへ」

さて、
一流職人の技の最後の見せ所です。
ところが、素人にはわからないくらいの、縫い糸の出来が満足いかなかったとのことで、やり直すことになりました。
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大平さん 「下の糸が見えちゃった」
関口さん 「私的には全然OKなんですけど??」
大平さん 「やり直し」

大平さん 「間違えたとき、そういうときにどこまで正直になれるか、
       その気持ちがあらわれるんじゃないかな、物に」
そして、縫い直しが終わりました。
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関口さん 「いよいよ、ひっくり返す瞬間ですか?ひっくり返す~、
       うわっ、ひっくり返りきった!あいやー。あいやー。わぁ渋っ、あ、いい香り!」
それから、「智」の刻印を、かばんに押すのは、関口さんがやることになりました。
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関口さん 「おおう」

大平さん 「おおう」

関口さん 「あ~どきどきした、あ~」

早速、肩からかけてみます。
関口さん 「第一号のかばん。長い紐。このかばんが大事なおとも。ぴったしだな、これ。
       贅沢な経験しちゃたな。
       手があっちこっちに入って、革よりも手でできてる感じ。大事にします」
大平さん 「大事にというか、使ってください。壊れたらまた来てください。
       永久保証ですから(笑)生きてるかぎり」
関口さん 「素敵だな」
大平さん 「気をつけて。この先ながい」
関口さん 「お互いに(笑)」
大平さん 「頑張ってください。辺りすっかり暗くなちゃって・・・」
関口さん 「ではまたフィレンツェに来るときは、ご連絡します。ではまた」
大平さん 「気をつけて」

関口さんは、夜の町並みを歩いていきます。
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関口さん 「あっという間だな、いろんな、今後のたくさんの不安を抱えて。
       いざっていう時には誰にも頼らず判断するんだろうな、強いよね。
       俺は、このかばんを大事にしよう」

関口知宏さんのファーストジャパニーズは、第一回目の終わりを迎えました。

11135875.gif「かばんは、人間の心とからだみたい。外見だけみても、中身が空っぽだったり、
              詰め込みすぎても、ごつごつしてしまう。
              僕は、常になかみを整理して大切なものだけを入れておこうと思いました」

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長くなってしまってすみません。
観た感想を書きます♪
やはりというべきか、関口さんのほんわかムードは、健在どころか、パワーアップ?しているようにも感じました。
ぽつりぽつりと話す言葉に、楽しんでいる感じがあふれていました。
観ているこっちに、それが伝わってくるのは、相変わらずすごい伝達力です。
テーマソングも、関口さんが作曲されているそうで、こちらは、ドキュメンタリー的な聴きどころがあって、東洋と西洋の旅の音たちが混ざり合っているような感じもあって、ドラマティック♪
関口さんは、今回、ほとんど気配を消してますね。
関口さんは、時折、壁紙のようになってしまってました。
やっぱ、狙いなんですかね~?
それが、自然なんですよね。
なんて自在なひとなのでしょう。

関口知宏さん♪ ファイトです~!9439251.gif10101749.gif






















2008-04-05 23:00  nice!(5)  コメント(4) 
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nice! 5

コメント 4

フェイリン

仕事が早い!流石ですねw
せっきー、今回も少し絵日記を書いてくれていましたが
ファーストジャパニーズの絵日記としていつか発売して欲しいですね~!
皮の鞄、私も凄く欲しくなりました!
by フェイリン (2008-04-06 02:52) 

れん

事細かく書いてありビックリしました~(^^)v
良く覚えていますねぇ~感心デス~♪
by れん (2008-04-06 21:42) 

lamer

良いお話ですね。ドキュメントは良いです。日本人の素晴らしい所は一杯ありますね。是非生かしたいものです。有難うございます。
by lamer (2008-04-07 10:47) 

イマイ アオ

フェイリンさん♪
ありがとうございます!ずっと楽しみにしてた番組だったんで、ついつい長々書いてしまいました(*^^*)関口さんのお月様のかばん素敵でしたよネ☆ほんと絵日記とエッセイの発売が待たれます!

れんさん♪
テレビを観ながら、PCでメモして書きました。細かくてビックリ!?そうなんですよ~!これぞファンのなせる業だと笑ってやってくださいナ~。
(^^; ありがとうございます!

lamerさん♪
こちらこそ、ありがとうございます(^_^)/☆ドキュメントも空想物語も、書きおこすのは、楽しいです。好きな人や事柄に関することならずっと想い続けて書いていたい気がします。

by イマイ アオ (2008-04-08 17:14) 

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