銀河鉄道の夜 読解① [銀河鉄道の夜を読み解く☆]
宮沢賢治さん 著「銀河鉄道の夜」 を題材に、作者が書きたかったことについて、読み取っていきます。
<目次>
一 午後の授業 3ページ半
二 活版所 1ページ半
三 家 3ページ半
四 ケンタウル祭の夜 4ページ半
五 天気輪の柱 1ページ半
六 銀河ステーション 5ページ
七 北十字とプリオシン海岸 7ページ
八 鳥を捕る人 7ページ
九 ジョバンニの切符 39ページ半
まずは、第一章からです。
一 午後の授業
この章では、銀河の授業の場面とジョバンニの回想により、読者にたくさんの情報を与えています。
先生により、天の川と星についての説明が行われ、銀河とはなにか、わかりやすく興味を持たせる役目を果たしています。
ジョバンニは、先生の質問に答えられませんでした。そのすぐ後、カムパネルラも答えなかったのでした。
「カムパネルラは、自分を気遣って、答えなかったのだ」
とジョバンニは思うのです。ここでは、ジョバンニの内気な心の動きとカムパネルラの思慮深さが、描かれています。
ジョバンニは、回想します。昔、カムパネルラと遊んだとき、二人で銀河の星の写真をいつまでも見てい たことを。
カムパネルラだってそのことを忘れるはずがないのだと思うのです。
ジョバンニがカムパネルラを信じる気持ちを強調し、二人の友情を暗示しています。
現在、朝夕、働きづめで、カムパネルラやみんなと遊ぶことができないジョバンニの苦しい近況にも触れ ています。
終わりのほうの先生のセリフで、今日が銀河のお祭りであることが、わかります。
【まとめ】
銀河とはどういうものかをわかりやすく書いて雰囲気を盛り上げ、
ジョバンニのカムパネルラに対する思いと近況を描きつつ、
今日が“銀河のお祭り”であることを知らせている。
<感想>
先生の子供に対する言葉が、とても聞きやすく、丁寧で優しいと思いました。こんな先生がいたらいいなぁと。
そして、ジョバンニが、答えを知っているのに、いったん手を上げかけてから、下ろしたところを読んだ時、「そんなこと自分にもあったなぁ」と恥ずかしかった子供の頃の気持ちを、思い出しました。
もし、カムパネルラのような立場に立ったら、きっと自分なら、答えていたと思います。カムパネルラが、本当のところは、どうして答えなかったのか、聞きたいです。
授業が終わった場面では、もっと先生の話を聞いていたいと思う気持ちと、開放感が、同時に押し寄せたあの頃のわくわくした気持ちが、思い出されました。いつの間にやら、自分もお話の中で、机を並べていたみたいです。