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短篇小説 W 別天地へ行け
神様のごはん [さらさちゃん♪水想録]
「ごはんはまぁだ?ごはんはまぁだ?」
「コンバンガヤマダ♪コンバンガヤマダ♪」
さらさちゃんとでめちゃんは2匹で並び、まだ陽の昇らない薄暗い窓の外を眺めていました。
「お腹減っタァ!」
「みーちゃんねぼすけだから、当分ごはんもらえないよ」
でめちゃんにそう言われ、ちょっとむくれたさらさちゃん。
そんな金魚達をなだめるように、空が明るくオレンジ色に染まっていきます。
「またきょうも、上へむかって上がって行くよ、あのオレンジの・・・」
「下から上へななめにゆっくーりとね」
「あれは、ナニ?」
でめちゃんは、にっこりしました。
「神様のごはんだと、ボクは思う」
「おっきいし、逃げないもんネ」
さらさちゃんはうなづきました。
「食べてみたいね、どんな味カナ」
「神様のごはんだよ、ボク達、食べていいのかな」
「いいんじゃナイ?いっこしかないから、早い者勝ちだよ」
金魚達は早起きが得意です。
もう、ずいぶん前から起きているのですから、お腹も空くのでしょう。
でめちゃんは、ひとつあくびをして、もう一度眠ることにしました。
さらさちゃんはというと、ひれを動かし、ストレッチをして、すーっと泳ぎ始めました。
神様のごはんは、一体どんな味がするのでしょうね。
いつかは、食べてみたいものですね。
2016-07-01 23:18
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