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短篇小説 W 別天地へ行け
別天地へ行け 28 [乃亜シリーズ♪(混沌的原案)]
もの陰から姿を見せた少年は、まだ幼い雰囲気をまとっていた。
「いじわるしてごめん。でも本当は、僕、君を助けてあげたいんだ。ここで僕とずっと一緒に暮らしてくれるなら、助けてもいいよ?」
私は、体中から血の気が引いていくのがわかった。
緑のキサマの栄養になってしまう自分を、手足の肌が露出している部分から、ざわざわとした感触で…。
吸引力が強く、もがいても身動きがとれない。
このままでは、本当に、生命を吸い取られてしまう。
「悪いけど、それはお断りだわ」
「僕の言うことを聞けないの?」
少年は、いよいよ激しい口調になった。
「君ひとりでは、ここで生きていけない。今なら助けてもいいんだよ!殺すなら、他にも人間なんていくらでもおびき寄せられるんだから!みんな薬で捕まえてさ、どうにでもできるんだもん。お願いだよ、僕と一緒に、ずっとここにいてよ!」
2008-12-05 15:42
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